「ボーナスで旅行」は家計破綻の入り口
夏休みはボーナスが出たらハワイに行こう。
この考え方は、非常に危険なギャンブルです。
ボーナスは会社の業績に連動する不確実な収入であり、支給額が減ったり、最悪の場合はカットされたりするリスクが常にあります。
また、住宅ローンの支払いや、半年分の赤字補填、家電の買い替えなど、ボーナスにはすでに多くの役割が割り振られていることがほとんどです。
そこに高額なレジャー費まで依存させてしまうと、予定通りの支給がなかった瞬間、家計はショートします。
私が推奨するのは、旅行費用を臨時出費として扱うのではなく、毎月の光熱費と同じような固定費として扱い、計画的に積み立てるスタイルです。
「生活費と混ぜるな」、危険
毎月コツコツ貯めているつもりでも、給料が入るメイン口座にそのまま残しているだけでは、確実に失敗します。
人間にはあるだけ使ってしまうという習性があるからです。
日々の食費や雑費と混ざり合い、気づけば旅行用に残しておいたはずのお金が、なんとなくの生活費に消えてしまいます。
これを防ぐための最適解が、旅行積立専用の口座を開設することです。
物理的に場所(口座)を分けることで、そのお金には旅行以外には使わないという強力なラベルが貼られます。
住信SBIネット銀行やソニー銀行などが提供している目的別口座機能を使えば、一つの銀行口座の中でハワイ旅行用温泉用といった仮想のボックスを作って管理できるため、非常に便利です。
逆算思考で月額を決定する
では、いくら積み立てれば良いのでしょうか。
これは行きたい場所と時期から逆算して決定します。
例えば、1年後に家族で沖縄旅行(予算30万円)に行きたい場合のシミュレーション表を作成しました。
| 項目 | 予算見積もり | 備考・計算根拠 |
|---|---|---|
| 交通費 | 100,000円 | 早期割引(早割75など)を利用した航空券代。 |
| 宿泊費 | 120,000円 | 3泊4日。リゾートホテル利用。 |
| 現地滞在費 | 50,000円 | レンタカー、ガソリン、食費、アクティビティ代。 |
| 予備費 | 30,000円 | お土産代や急な出費。使わなければ次回の積立へ。 |
| 合計目標額 | 300,000円 | 月々の積立額:25,000円(×12ヶ月) |
内訳を可視化すると、月2万5千円の捻出が必要という事実が突きつけられます。
もしこれが家計的に厳しいなら、時期をずらして積立期間を延ばすか、ランクを下げて総額を減らすか、あるいは固定費を見直して原資を作るかの判断が、今の時点で可能になります。
使うための貯金は全額使い切る
この旅行積立の最大のメリットは、使う時の罪悪感がゼロになることです。
普段の生活で30万円を使うとなれば、本当にこれでいいのか将来のために取っておくべきではというブレーキがかかります。
しかし、この専用口座にあるお金は、最初から使うことを目的に隔離され、育てられてきた精鋭たちです。
旅先では、ケチケチせずに予算の範囲内で最大限に贅沢をしてください。
そしてまた翌月から、次の旅に向けて淡々と積み立てを再開する。
このサイクルこそが、家計の健全性を保ちながら人生を楽しむ、大人の遊び方です。


