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身軽に生きるための家計の「棚卸し」ログ

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生活防衛資金はいくら必要?

電卓とお金

新NISAの前にエアバッグを用意する

新NISAを始めたいけれど、いくら投資に回していいかわからない。

そんな相談を受けたとき、私は必ずこう聞き返します。

「もし明日、収入がゼロになっても、半年間暮らせるだけの現金はありますか?」と。

投資はあくまで余剰資金で行うのが鉄則です。
生活費を削ってS&P500を買ったり、貯金の全額を株式に変えてしまったりするのは、投資ではなくギャンブルに近い行為です。

株価が暴落した時に、急な出費が重なったらどうなるでしょうか。
泣く泣く、値下がりした株を売って現金化することになります。

これは安く売って損をする最悪のパターンです。

市場の暴落時でも狼狽せず、どっしりと構えていられる心の余裕。

それを生み出すのが、今回解説する生活防衛資金です。

これは投資のリターンを最大化するための、必須装備(エアバッグ)なのです。

自分を守るお金はいくら必要か

生活防衛資金とは、いざという時に、生活水準を落とさずに暮らすための現金のことです。

必要な金額は、あなたの職業や家族構成、つまりリスクの大きさによって異なります。

一般的に推奨される目安は以下の通りです。

属性 目安期間 理由
(リスク耐性)
会社員・公務員
(独身・共働き)
生活費の3ヶ月〜6ヶ月分 失業保険がある。
会社を辞めても、数ヶ月後には給付金が入るため、それまでのつなぎ資金があれば十分。
有給休暇や傷病手当金などの保障も手厚い。
自営業・フリーランス 生活費の6ヶ月〜1年分 公的な保障が薄い。
失業保険がなく、病気で働けない期間=収入ゼロになる。
売掛金の未回収リスクなどにも備え、厚めの現金確保が必要。
子育て世帯
(片働き)
生活費の6ヶ月〜1年分 責任範囲が広い。
大黒柱が倒れた時の影響が大きい。
子供の急な怪我や教育費の先払いなど、突発的な支出リスクが高い。

例えば、手取り25万円の独身会社員で、月の生活費が20万円なら、
20万円 × 6ヶ月 = 120万円

これが、投資を始める前に貯金箱に入っていなければならない最低ラインです。

計算のベースはミニマムライフコスト

ここで重要なのは、計算に使う生活費の定義です。

これは現在のなんとなく使っている金額ではなく、生きていくために最低限必要な金額(ミニマムライフコスト)で計算してください。

失業中などの緊急時に、毎月飲み会に行ったり、服を買ったりはしないはずです。

家賃、光熱費、食費、通信費、保険料などのお金を算出し、それに期間を掛け合わせます。

もし計算結果が今の貯蓄額より多いのであれば、投資信託を買っている場合ではありません。

まずは固定費を削り、不用品を売り、生活防衛資金というダムを満たすことに全力を注いでください。

防衛資金の正しい置き場所

「100万円貯まりました。これで投資を始めます」

そう言って、生活防衛資金を証券口座に入れてしまう人がいますが、それは間違いです。

生活防衛資金は、使わないことが目的ではなく、いつでも使えることが目的のお金です。

したがって、以下の条件を満たす場所に置いておく必要があります。

  • 元本保証であること:株式や投資信託にしてはいけません。使う時に暴落していたら目減りするからです。
  • 流動性が高いこと:定期預金や保険など、引き出しに数日かかったり、解約ペナルティがあるものは不向きです。コンビニATMですぐに引き出せる状態が理想です。
  • 生活費口座とは分けること:給与が入る普段使いの口座に入れておくと、いつの間にか生活費として使ってしまいます。

私の推奨は、ネット銀行の普通預金です。

あおぞら銀行BANK支店や楽天銀行など、普通預金でも高金利な銀行を選び、防衛資金専用口座として隔離します。

キャッシュカードは財布に入れず、自宅の金庫に保管しておくくらいの距離感がちょうど良いでしょう。

現金こそが最強の精神安定剤

インフレ時代に現金をそのまま持っておくのは損だという意見もあります。
確かに、長期的には現金の価値は目減りするかもしれません。

しかし、生活防衛資金の役割は利益を出すことではなく、あなたをパニックから守ることです。

十分な現金があれば、株価が半分になろうが、急に会社が倒産しようが、とりあえず1年は生きていけると冷静に対処できます。

この心の余裕があって初めて、長期的な積立投資を継続することができるのです。

投資で成功するための最短ルートは、まず足元の現金を固めること。

地味ですが、これが王道の手順です。