Budget Clarity

身軽に生きるための家計の「棚卸し」ログ

  1. /
  2. /
  3. 電力会社を乗り換えるタイミング

電力会社を乗り換えるタイミング

電気代を考える男女

電気の質は変わらず、料金だけが下がる仕組み

電力会社を変えると、停電しやすくなるのではないか。

いまだにこの不安を口にする人がいますが、結論から言えば、物理的にあり得ません。

新電力(PPS)に切り替えても、電気を届ける送配電網(電線)は、これまで通り地域の大手電力会社(東京電力や関西電力など)の設備が使われます。

変わるのは誰に料金を支払うかという窓口と、適用される料金単価だけです。

しかし、昨今の電力事情は少し複雑化しています。
単に安さだけで選ぶと、後で痛い目を見るリスクがあるため、正しい知識武装が必要です。

避けるべき2つの地雷プラン

電力自由化以降、数多くのプランが登場しましたが、中には家計管理の難易度を跳ね上げる地雷が存在します。

1. 市場連動型のハイリスク・ハイリターン

ここ数年で増えているのが、日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に合わせて、30分ごとに電気代単価が変動する市場連動型プランです。

このプランのメリットは、天候が良く電力が余っている時間帯(特に春や秋の昼間)は、驚くほど電気代が安くなることです。

しかし、デメリットがあまりに強烈です。
真夏や真冬の需給逼迫時、あるいは世界情勢により燃料価格が高騰した際、単価が通常の数倍〜数十倍に跳ね上がるリスクがあります。

過去には、月の電気代が通常の3倍以上になった事例もあります。

固定費を一定にして管理しやすくするという私のスタンスからすれば、ギャンブル性の高いこのプランは推奨しません。

家計の安定を望むなら、単価が決まっている従量電灯プランや、市場連動要素の少ないプランを選ぶのが無難です。

2. 燃料費調整額の上限撤廃

電気代の内訳には、基本料金+電力量料金の他に、原油価格などに連動する燃料費調整額が含まれます。

大手電力会社の規制料金プランには、この調整額に上限が設けられており、燃料価格がどんなに上がっても、ある一定ライン以上は請求されません。

一方、多くの新電力(自由料金プラン)では、この上限を撤廃しています。

つまり、燃料価格が高騰した際、そのコストが青天井で消費者に転嫁されます。
基本料金0円!と謳っていても、調整額が高すぎてトータルでは大手より高くなるケースが頻発しています。

シミュレーション時は、必ず燃料費調整単価の条件を確認してください。

プランの種類 メリット デメリット・リスク
従来型プラン
(従量電灯など)
単価が固定で予算が立てやすい。
大手なら高騰時の上限がある。
市場価格が暴落しても安くならない。
競争力が低く、割高な場合がある。
市場連動型プラン 市場価格が安い時は激安。
ゲーム感覚で節電できる人には有利。
夏・冬の電気代が読めない。
危機時に料金が青天井になるリスク。
毎日単価を気にするストレス。
新電力の固定型 大手より基本料金や単価が安い設定。
ポイント還元などが充実。
燃料費調整額の上限がない場合が多い。
事業撤退のリスクがある。

失敗しない乗り換えの3ステップ

リスクを理解した上で、それでも大手より安い新電力は存在します。
携帯電話会社系の電力プランや、ガス会社とのセット割などは、ポイント還元を含めるとメリットが出る場合が多いです。

乗り換えは以下の手順で行えば、15分で完了します。

1: 検針票を手元に用意する

まずはお客様番号と供給地点特定番号(22桁)が必要です。

毎月届く検針票、あるいは電力会社のWebマイページに記載されています。
これがないとシミュレーションも申し込みもできません。

2: 公式サイトで実数を入力する

比較サイトのおすすめランキングを鵜呑みにしてはいけません。
必ず検討している電力会社の公式サイトに行き、シミュレーション画面を開きます。

そこで、夏(8月)と冬(1月)、春秋(5月)の3ヶ月分程度の使用量(kWh)を入力し、現在の会社と比較して年間でいくら安くなるかを算出してください。

月数百円の差であれば、燃料費調整額のリスクを負ってまで変える価値はありません。
年間5,000円以上安くなるなら、乗り換えのGOサインです。

3: 新しい会社に申し込むだけ

Webフォームから申し込む際、現在の電力会社の解約手続きは不要です。

新しい会社が自動的に解約処理を行ってくれます。
スマートメーター未設置の場合は交換工事が入りますが、立ち会いは原則不要で、停電もしません。

乗り換えるタイミングはいつか

結論、違約金がかからないなら、今すぐです。
一部のプラン(特に2年契約などの縛りがあるもの)では、解約違約金が発生する場合があります。

まずは現在の契約内容を確認し、違約金がない、または乗り換えメリットの方が大きい(数ヶ月で回収できる)と判断できれば、検針日を待たずに申し込んで構いません。

固定費削減はスピード勝負です。今すぐ検針票を探し出し、シミュレーションだけでも実施してみてください。