家計簿が続かない最大の原因は分類にある
家計簿をつけてもお金が貯まらない、あるいは集計が面倒で続かないという人の共通点は、カテゴリ分けが細かすぎることに尽きます。
私が実践し、推奨しているのは、行動経済学的な視点を取り入れた管理不能な項目を作らないためのシンプルなカテゴリ設計です。
意思決定のスピードを上げ、集計の手間を極限まで減らすための3大分類の考え方について解説します。
支出を管理する3つの大枠
家計簿アプリやエクセルで初期設定されているカテゴリは無視してください。
まずは、全ての支出を以下の3つの性質に振り分けることから始めます。
これらが混ざると、家計のどこに問題があるのかが見えなくなります。
固定費(息をしているだけで減るお金)
毎月決まった日に、ほぼ決まった金額が引き落とされるものです。
住居費、通信費、保険料、サブスクリプション、教育費などが該当します。
これらは日々の節約努力が通用しない項目です。
その代わり、一度契約を見直せば、翌月から自動的に支出が減ります。
家計簿上では固定費としてひとまとめにし、月に一度、契約内容が適正か確認するだけの項目として管理します。
変動費(日々の行動で変わるお金)
食費、日用品、交際費、交通費など、あなたの行動次第で増減する項目です。
ここで重要なのは、カテゴリを細分化しないことです。
私は「食費(スーパー)」と「外食・コンビニ」の2つしか分けません。
スーパーでの買い物は生活必需品ですが、外食・コンビニは贅沢や惰性による浪費の可能性が高いからです。
生きるためのコストと楽しみのためのコストを分けるだけで、削るべき対象は明確になります。
特別費(突発的、または季節性の支出)
冠婚葬祭、旅行、家電の買い替え、年払いの税金などがこれに当たります。
毎月の変動費に混ぜてしまうと、その月だけ赤字になったように見え、通常の家計収支が分析できなくなります。
特別費は年間予算として別枠で管理し、月々の家計簿の評価対象から外すのが合理的です。
良いカテゴリ・悪いカテゴリの対比
カテゴリ設計の良し悪しは、改善アクションに繋がるかどうかで決まります。
| 評価 | カテゴリ例 | 判定理由(アクション) |
|---|---|---|
| ○ 良い例 | 食費: ・自炊(スーパー) ・浪費(外食・カフェ) |
行動を変えやすい。 自炊は維持しつつ、浪費の回数を減らすという明確な対策が打てる。レシートを見るだけで瞬時に判別可能。 |
| × 悪い例 | 食費: ・米/パン ・肉/魚 ・野菜 ・お菓子 |
細かすぎて分析不能。 来月は野菜を減らそうとはならないため、分ける意味がない。入力の手間だけが増え、継続のハードルが上がる。 |
| × 悪い例 | 教養・娯楽費: ・書籍 ・映画 ・セミナー |
投資と浪費が混在。 将来のリターンが見込める自己投資と、単なる遊びが混ざると、削るべき優先順位が見えなくなる。 |
その他・使途不明金の罠を塞ぐ
カテゴリ設計における最大の落とし穴は、その他や雑費という逃げ道を作ることです。
私の経験上、家計改善がうまくいかない人の家計簿は、支出全体の10%以上がその他に分類されています。
これでは、何にお金を使っているのか把握していないのと同じです。
もしどのカテゴリにも当てはまらない支出が出た場合は、その他に入れるのではなく、強引にでも既存のカテゴリに紐づけてください。
例えば、友人のプレゼント代は交際費、急に買った傘は日用品ではなく、準備不足によるペナルティとして浪費(小遣い)から引く。
このようにルール化することで、無自覚な支出(ラテマネー)をあぶり出すことができます。
その他ボックスを廃止することは、自分の金銭感覚と向き合うための強制的なプログラムと言えるでしょう。
今すぐカテゴリを統合する
すでに家計簿をつけている方は、今月の記録からカテゴリの統合作業を行ってください。
似たような項目、例えば電車代とバス代とタクシー代を分けているなら、全て交通費に一本化します。
ただし、タクシー代が贅沢費として突出している場合のみ、あえて浪費として別計上し、目立たせるのは有効な戦略です。
まずはスマホを取り出し、不要なカテゴリを削除することから始めてみませんか。



